植田総裁が今朝の参院予算委で、「追加利上げの判断にあたって、必ずしも4月1日公表の企業短観の結果を待つ必要はない」と明言した。これまでは4月利上げがコンセンサスだったが、3月会合(18-19日)での決断が現実味を帯びてきた。高市首相との会談後にこの発言が出た意味を議論したい。
>>1
これは明確な「独立性宣言」だろう。2月23日の高市首相との会談で追加利上げへの懸念を伝えられたとの報道があったが、あえてその直後に「短観を待たずに判断できる」と言い切った。政治的な配慮よりも、データに基づく機動的な政策運営を優先する姿勢を市場に見せつけている。
>>2
背景には2月24日に発動されたトランプ関税(通商法122条に基づく10-15%関税)がある。これによって輸入コストの上昇が避けられない状況だ。日銀としては、円安放置によるインフレ加速を食い止めるために、3月に0.25%か、あるいは思い切って0.5%の利上げに踏み切る必要があると考えているはずだ。
>>3
為替も1ドル156円台で高止まりしている。昨夜は一時156.8円まで行ったが、今朝の総裁発言で少し円が買い戻されている。ただ、日米金利差を考えれば利上げなしでは円安トレンドは止まらない。植田総裁は「点検中」と言いつつ、事実上のカウントダウンに入ったと見るべき。
でも1月のCPI(コア)は1%台に低下するって予測もあるだろ?デフレ懸念がある中で利上げなんて無理ゲーじゃないか。
>>5
1月のCPI低下はあくまで一時的な要因。重要なのは「サービス価格」と「春闘」の動向だ。第一生命経済研の予測でも今年の春闘賃上げ率は5.45%と、35年ぶりの高水準だった昨年を維持する見通し。賃金と物価の好循環を確信するには十分な数字だ。CPIの表面的な数字に惑わされるのは素人。
>>6
海外投資家から見れば、高市政権の「積極財政・緩和継続」への要求と日銀の独立性の衝突はリスク要因だった。しかし今日の総裁発言で、日銀が政権の軍門に降っていないことが確認できた。これは日本株・円にとって長期的にはポジティブな信頼醸成になる。
>>7
問題は、近く交代する審議委員2名が「リフレ派」の色彩が強いことだ。ボードメンバーが入れ替わってハト派色が強まる前に、植田総裁は自分の主導権が効くうちに利上げを済ませておきたいという思惑があるのかもしれない。
>>8
確かに。新任委員が入ってからの議論は紛糾する可能性があるからな。3月18日の集中回答日の直後に決定会合があるスケジュールを考えると、そこが「最速の、かつ最適の」タイミングだ。短観を待つ必要がないというのは、春闘回答さえ見えれば十分だと言っているに等しい。
>>3
トランプ関税の影響について植田総裁は「現時点で甚大な影響はない」と言及したが、これはあくまで政治的なポーズだろう。実際にはコストプッシュ型のインフレを極端に警戒している。10年債利回りが1.2%付近まで上昇しているのも、市場がこのリスクを嗅ぎ取っている証拠だ。
>>10
鋭い。トランプ関税は「円安」と「関税」のダブルパンチで国内の消費を冷やす。これを防ぐには円安を止めるしかない。高市首相が「利上げ慎重」を唱えるのは、景気への悪影響を恐れているからだが、逆に利上げを渋って円安が加速する方が、輸入品高騰で家計は死ぬ。植田総裁はそちらの副作用を重く見ている。
>>11
住宅ローン金利への影響も無視できない。変動金利の指標となる短期プライムレートの上昇は避けられないだろう。2025年12月の1.0%への利上げからわずか3ヶ月での追加利上げとなれば、不動産市場へのインパクトは相当なものになるぞ。
>>12
だからこそ「短観を待たない」という言葉に重みがある。本来なら景況感(短観)を確認してから慎重に動くべきところを、それをショートカットしてでも急ぐ必要があると示唆しているわけだ。
>>1
今日の参院予算委の質疑、野党側が「政権の圧力に屈するのか」と攻めたのに対して、総裁が「データに基づいて粛々と行う」と回答した際、高市首相が渋い顔をしていたのが印象的だった。官邸と日銀の距離は、この2年で最も広がっている可能性がある。
>>14
高市政権としては、第2次内閣発足直後の衆院選勝利という民意を背景に、積極財政を正当化したい。だが、財政拡大と利上げ抑制を同時にやれば、それは1970年代の過ちを繰り返すだけだ。植田総裁はその歴史的教訓を誰よりも理解している学者肌の総裁だからな。
>>15
結論として、3月利上げの確率は五分五分を超えて、今や70%程度まで跳ね上がったと見るべきだ。3月5日の連合の要求集計結果が25年を上回る数字であれば、もはや日銀を止める理由はなくなる。12月以前の利上げの波及効果の検証も、円安の加速という副作用の前では、利上げ継続を正当化する材料にしかならない。
>>16
利上げのタイミングを逃せば、トランプ関税と相まって制御不能なインフレを招くという懸念を、植田総裁は共有していると思っている人は多そうだな。